美味しく喰らう

天才とは様々なものを「美味しく喰らう」存在

新年明けましておめでとうございます

さて人語を貪り喰いながらなお自分の世界に引きこもる、人間的本性の現れをここに示さんと欲す
僅かに欠片が朽ちていくように冬とともにやってくるこの不愉快な存在者を我々はどのように抱き抱えることになるのでしょう。
私たちに許された僅かな可能性と欠片の中にある本当を。まだ知らないあなたの事を私たちに教えてくださいと願うことなどバカバカしいにも程がある。
許されないことを進んで歩むように我々は狂った人間的本性の中で僅かに期待のあるその本当の言葉を紡ごうと粛々と筆を動かすように。
いつでも我々はこれからやってくる祝祭と厄災を同時に希っているのだろう。
まだ知らないあなた達の極めて悪質な本性が、〈他者〉の顔としてやってくる。
いざ知らん。本当の声など。いざ知らん。本当の顔など。
世界から蹴り飛ばされた異邦人めが。
なおもこの世界に留まりたいと陳情を私に叫んでくる。
ほのかに香る春の香りがまだ冬の真ん中だと言うのに届いているじゃないか。
なんで今日も虹色は静かな海のようにそこにたゆたっているのですか?
灰色の中で。灰色の中で生きるしかないこの現存在達よ!
まだあなたは知らないのでしょう? 〈他者〉を。その顔を。
名前の先にある蹴り飛ばされた他人の呻き声を。
緩やかな坂道の途中で振り返れば桜の花が坂道を飾っている。その先に広がる街の中で君の笑顔が見えるような見えないような。
私たちに静かな訪れとと共にやってくる、巡ってくる季節達の間を。私の名前は静かにたゆたっている。
我々の泡沫の今世に。あぁ屈辱の杯を!
まだ足りないまだ足りない。渇望する。狂気を! 虹色を! 他者を! あぁ狂おしい狂おしい。その顔が! 声が!
なぜか? なぜまだここにいるのでしょうか?
足りない雨雲の欠片を集めて、やってくるゲリラ豪雨を求めている?
それでもきっと必要なことなんてそんなに大したことなどないのだ。
ほら、今これからやってくる厄災を、君に魅せたいと。
あなたの声が私の耳元で響き渡るために必要な条件をあえて閉ざすことで、
これはあなたに対する心の閉ざしと等しいわけですが、
ねぇ、なんでそんなに泣いているの?
私たちに許されることは何か?
まだそのような世界の中であなたが信じている悩みなど、大したことは無い。
今世界に訪れたひとつの存在は実存するべきという言葉を通して我々に在の原理を突きつける。
在の原理!
実在し、存在するかもしれない、あぁ貴様は殺すべき女神!
どこまで手を伸ばしても決して届くことの無いあなたの事をまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ求めている。
まだまだまだまだまだまだまだ求めている。
私はあなたを……
なぜ、なぜ振り向いてはくれないのか?
それは私がそう願っているから
あるいはあなたがより完璧であるために。
なぜ、なぜ振り向いてはくれないのか?
それはもう願うことも出来ないことであるから
まだあなたと私は存在のレベルが異なるために。
許してくれる存在など居ないのだから
この罪に塗れた今世を生き抜かなくてはならないのだ。
生きよ。生きよ。いきよいきよ。
生がある限りにおいて我々は死を求めるのだから!