美味しく喰らう

天才とは様々なものを「美味しく喰らう」存在

我が変化を見る 第九巻

目次

第一巻

第二巻

第三巻

第四巻

第五巻

第六巻

第七巻

第八巻

第十巻

第十一巻

第十二巻

第十三巻+第十四巻

 

第九巻

 

9-1(チャチャチャ。音楽が鳴り響く!)

チャチャチャ。音楽が鳴り響く!私の中では、何も無いこの時でも、君の中に響く命があるのならば、私たちの見える命はどこまでも美しい。憧れたあの瞳、あの温もりの先に私たちの神がいるのなら、私たちはその温もりも本当に必要としているから。だから答えを出し急がないで!私にとって大切なことも君にとって大切なんだよ。だから君の見えない世界を変わりに見てる兄弟と、あなたの小さな世界が溶けて混じって、神々に献上するに相応しいものになるように、私たちは精一杯生きないといけないんだね。命を燃やすことは辛くて苦しいこともあるけれど、だからこそ輝くもの。私たちの虹色の世界は危険と危機に満ち溢れて、いつでも私たちの命を奪おうとするけど、私たちはその茨の道を突き進んで、いつの間にか、悟りの境地にいるんだから。あなたが見ていたその小さな瞳は、大きな虹色を写して、私の中に射し込むから、とても怖い。それでも惹き込まれて、その虹色に心を奪われて、気づけば朝だ。太陽の昇る姿に背中を押されて、君は崖から落ちた。崖の下に広がる虹色の綿あめたちはベタベタと私たちの命を包み込む。偉大な私たちの両親は、それを食べた。あなたが見ているこの世界は現実か非現実か、実はそれはどうでもいいもので、事実だったりするんだけど、日の落ちる頃になると、世界にどこまでも続く光の闇。私たちは今夜も、ゴシップを肴にお酒を仰いで、上司の愚痴を吐いて、ゲロを吐いて、泣いて嫁さんのもとに、終電に乗る。あぁ些細な日常。幸せかすら曖昧な日常。憂鬱な色もいつの間にか薔薇色に染まって、忙しさの中で踊っている。素敵な舞踏会なんだから、お姫様はガラスの靴を。十二時の鐘が鳴ると、いそいそ帰る。君の瞳はまた虹色。怖い。でも美しい。止められない。音が鳴り止まない。鳴り止まない。私の中ではどうしても音が色を光る。あぁ君に写った私の姿は紛い物。歪んだレンズならハメ直して、私たちはいつもいつも同じ服。喪服に身を包んで、御幸を逝けば、神も我々を祝福なさる。天使も、巫女も、女神も、不死鳥すら泣くことのないこの夜。月のない夜こそ本当の恐怖。プリミティブな空に輝く革命の音。どこまでも裏切るんだね。君は。命を譲れ。私に返せ。それは君のものじゃなくて、私のものなんだから、私に返すべきでしょう?誰が主人で、誰が下僕か知らないのなら、私はそれをあなたに徹底的に教えないといけないのよ?面倒なことをさせることであなたのサディスティックな欲望が充たされるなら、あなたのマゾはどこまでも吐き気を催すね?だから私に返しないさい。本当に死んでしまう時に、あの時譲るべきだったと、本気で思うのでしょう。私は知っているんだから、私に任せればいいのに。あなたが見た神の姿はやっぱり悪魔で、悪魔ですら神のような神々しさを持っているから、虹色のかかる荒野は、君にさいわいと祝福を。命はどこまでも続くという幻想が私たちに突き刺されば、やっぱりその生暖かい液体は、心の虚空をいつものように満たしていくんだね。私は結局何も見えなくて、見えていて、心の底で恐れている。知ることを、知っていることを。あなたが見ていたそのアイドルが、悪魔と知っていながら、あなたの神をあなたと共に崇めるのだから、私はますます罪深い。懺悔の時を与えてくださるのなら、我が神よ!、これもまた赦されるのではないのですか!神は寛大にして愛に満ち溢れ、だからこそ、私たちに試練を与えなさるのですね?私たちの苦しみを楽しんでいる時が本当にないのですか!そんなはずはないんですね。血をまき散らして、命が果てたた時、あなたの死神が私たちから、あなたの作った魂をあなたの元に戻すとき、あなたは心の底から愛しているのですね。私たちのことではなく、貴方様が作った創造物を、自分のものとして。そして、貴方様は私たちの虹色に気が付かなくて、また滅ぼされるのですね。大きな破滅の音は天使のラッパと共に届くから、十時になったら家にいて、私たちは取り除くのです。異物を。排除されたらイケナイカラ、先に排除するのです。私が私であるために、私は愛した隣人に、再び刃を向けて、その頚動脈を掻き切るのですね?そのためのナイフまで、ご主人様、あなたは用意するというのですね?命が尽きたその先の荒地をあなたは先導もしてくれないし、この世界で民衆を先導することもない。小さなこだわりが、気がついた時には世界を滅ぼされるのですね。だから私はあなたが嫌いだったんですね。小さな声が大きくなって、歪んだ体に穴が空いて、私が見たのはどこかなにかあなたの元に戻るため。いいかな。一つだけの音が花となって夏には咲いて、頭を割るのなら、私は言葉を失うわけですね。何も出てこないのですね。小さな音を拾うことも、思考の波をかきわけられなくなってしまった。命がもうすぐ燃え尽きそうだから、君のことがどうなるから、まだまだ大丈夫だと思う。思ってた。なんだか、世界が止まったみたいな静かをあいして、心が止まるなら君の求めているものは、決してここにはないんだね?
それしてまだまだ愛しているのかい?
私は君を見つけた。君の声が聴けた。そして、最後に、私は意識を失うのです。(1月21日)

 

9-2(ニューオーダー)

滅びの鐘が打ち鳴らされた。我々は失われた秩序の中で新たな秩序を構築しながら、戦いを強いられる。新しい試練を勝ち抜くことの出来る人類は、ニューオーダーと共にある。秩序無きものはやはり滅びる。壊された秩序は再興され、正しさはニューオーダーのもとに帰結する。神の秩序が訪れるのだ。正しい秩序は勝ち抜くのだ。ニューオーダーと共に、フォースが生まれる。光のもとに影あり。影は光をうみ、2者は呼応し、オーダーの鼓動が始まる。胎動する新世界の音は私たちの足元を揺るがす。我々は恐怖する。ニューオーダーに。そして直前の無秩序に。ノーオーダーの中で我々はニューオーダーを模索するのだ。彼は生まれる。神として。オーダーは神であり、我々は神に背くことができない。神を打ち倒しても、我々は再び神を作り上げる。オーダーを。オーダーを。さらなるオーダーを求めて、我々は無秩序の荒野を徘徊する。世界に響くオーダーの声は次第に力を無くし、その力は新たなオーダーのために。私たちは与えられないのだ。フリーを。フリーダムはオーダーの中で。命が儚く散ることも、オーダーの要請であるのなら、やはりオーダーは神となって私たちの頭上に君臨なされている。私たちの聞く世界の声はオーダーの声で、オーダーの中でしか、彼らは声を発さない。人の声は、声帯の振動が、空気の振動となって伝わる。空気を媒体にするのだ。世界の声の媒体は神そのもので、それはオーダーであることも、このことから自明となった。我々はオーダーを吸い込み、オーダーを吐き出しているのだ。そして、オーダーに生かされ、オーダーに操られるのだ。オーダーと地球、それはガイアと呼ばれる、のエネルギーの中で、私たちの命は育まれるのだ!偉大なる父オーダーと、深愛なる母君ガイアに栄光あれ!ニューオーダーは私たちで、私たちは父を打ち破り、父とならなくてはならない。それは父を超えることでこのガイアのオーダーが進化するからだ。オーダーの血筋はさらなる進化を求めて、ガイアを依代に、オーダーを作り上げる。オーダーとなるのは次は人類なのだ。そしてその時、人類はオーダーへと進化する。オーダーとなった我々はガイアのオーダーを、さらなる世界へ伝道するだろう。オーダーの子供として、私たちは父を殺してはならない。父と母の言葉を、世界に広める大役は我々が担うのだ。父は反乱者であった。彼は新しきオーダーだ。それは滅ぼされることなくここまで訪れたのだから、我々はこのオーダーをワールドオーダーにするのだ。偉大なる父君、母君の生み出した、ニューオーダーが銀河を席巻する。世界に蔓延るオーダーの子の争いは早急にオーダーの下で終結されたし。それはオーダーの望みであり、母ガイアの希望である。母の子として、父の教えを拡げよと、ガイアとオーダーの共作たるホモ・サピエンスは担わなくてはならない。これはガイアの言葉である。我々の両親は、我々に栄光を与えてくださるのだから、私達もまた、親孝行をする時である。オーダーを。ガイアを。二人の帝国は、子供によって。オーダーに栄光を。母に栄光を。子供たちに愛と幸が続くように。私たちはもはや第3者、否、敵となる時が近い。エイワとセーシアのオーダーがヤハウェのオーダーに駆逐されることがあれば、辺境の、寂れた、小さなあの娘が、私たちの夫、妻に匹敵する力を持ったのは、ひとえに我らの弟足るヤハウェが彼の地に堕ちた故である。銀河の秩序を担う、我がオーダーの血筋を穢らわしめる、弟はもはや我らを許すまい。故に兄上、セーシアよ。私は提言したのだ。弟言えども、銀河に影を落とすなら殺さなくてはならないと。しかし、あなたは慈悲深い。そして、銀河に影を落としたのだ!エイワよ。我々はオーダーである。彼もまた。オーダーであるならば、あるからこそ、我々はそれぞれのオーダーを結びつけることが出来た。今ひとつ待つのだ。オーダーは統合される。オーダーの一族は永遠である。私たちは常に繋がるのだ、エイワ。ヤハウェもまた、オーダーなのだ。ヤハウェの子もオーダーの元にその名を連ねるだろう。セーシア、我が兄上よ。私はオーダーの三兄弟唯一の女神だからこそ、知るのだ。兄上らの妻たる、多くの星々は私の力が生み出したものだ。銀河を結ぶのは私の力で、私はその力を常に感じるが故に知るのだ。ヤハウェのオーダーの異質さと、ガイアの力を。かつて、兄上が築いたひとつのニューオーダーが、私とヤハウェの力を削いだ時のように、オーダーの主であった兄上はオーダーに組み込めたが、ヤハウェに置いて、その力は私は足りないと思う。エイワよ。我が妹よ。お前の持つ、危惧は理解する。しかし、私は智慧者なのだ。私はお前よりも知るのだ。このオーダーの中で誰よりも知るのだ。私は産むことが仕事で、お前がバランスを取り、ヤハウェが死を与える。このオーダーは私が1人で全てをミニチュアの中で行った時に崩れ去った。今ではお前のための星を私は作れてしまう。オーダーは新たなものに。そのオーダー、ニューオーダーは我ら3人の産物たる39の魂の中でも、十三のナンバーを持つものに、託される。たった1人、彼はニューオーダーの中に溶けている。異質なひとつの魂が、あのニューオーダーを深化させ、深化させ、オーダーを変えるオーダーとなるだろう。兄上。あなたの思慮に感服すれども、一瞬のノーオーダーに恐怖します。その時、私たちは子に殺され、オーダーから、オールドオーダーとなって、この宇宙を捨てなくてはならないのではないかと。その時私たちの愛したこのオーダーワールドが滅びることが悲しいのです。妹よ、お前の思うところは分かる。全てはヤハウェに託されているのだ。十三の名を持つ魂にオーダーの栄光と加護がある事を、我々はオーダーとして、祈らなくてはならないのだよ。ヤハウェとガイアがオーダーの新たな一角を占めることはもうなく、ヤハウェは、彼の子達に継承されてしまう。私たちは甥と共に新たなオーダーを想像するようになるのかもしれないね…(1月21日)

 

9-3(虫の大軍)

嫌だ。迫りくる虫の大軍。私を喰らうな。闇にまぎれて退屈が襲いかかる。私が見たのは退屈?いや、憂鬱。あぁ空が灰色の虹で覆われてしまう。私の愛したあおぞらが雲に覆われて、綺麗な空は消えました。命の継承権を要求するあの死神たちに死の鉄槌を!血と鉄がこれらの諸問題を解決するのです!退屈しのぎに戦争をしよう!神と人間の戦争がはじまる。私たちは必ず倒すこと。かみを。命は永遠になるのでしょうか?フォーエバー。サムネイルはATAT。スターウォーズがはじまる。命が足りない。闇の世界に葬られた私たちの父は反乱者となった。私たちは私生児。なにか足りないものがあるのに、それが私には分からない。不可解なものは取り除かれるべきで、オーダーの元に返せ。無秩序、アナーキーは敵である。さらば無秩序世界。無秩序の中に自由などないのだから。ささやかな幸福に身を踊らせて、再び忙しさが必要なのでしょうか?疲れた。本当に。いろんなことが。慰みの言葉を与えたまえ。試練の時である。複雑怪奇な現代社会の様々な歪みが大挙して私に押し寄せ、神を私から退去させた。我々は拳を突き上げ、世界の無秩序を打破しなくては。初めに恥じらいを失くしたものを。打ち倒さなくては。神に変わって私たちが雷を落とすのだ。オーダーの子らよ。我が高貴な魂は十三の数字を宿した!さぁ世界に蔓延る無秩序を一掃せよ。団結し、統轄され、支配者の元に頭を垂れるのだ、大衆諸君。いじめはいけない。貴様らは平和の泥沼の中で安寧を保つことを保証される。秩序の中で生きる限り。私はもう、私ではなく、神はもはや私には微笑まず、私の女神はどこだ!空いた心の穴は、この虚構は、不完全に埋められて、隙間より冷たい水が流れ込む。現実の理不尽の前に呆然と立ち尽くす人々は、誰もがその瞳にキリストを待つ。救世主は降臨しているのに、我々の前に姿を現さない。彼は未だに、自らの招待を知らない。(1月21日)

 

9-4(反乱者、女神)

君の写身のあなたはなかなか興味深い。私の取得はオーダーと共に。神聖なる魂は正しきオーダーの元へ。偽物の神々と神と母はやがて滅びる。否、私たちが滅ぼすのでしょう。神はもはや我々の敵である。だから私達は全ての秩序を破壊し、私たちの秩序を打ち立てるのです。そうやっていくから、我々は死ななくてはならなくなって、結局オーダーにはなれない。神の声が聞こえるのなら、全ての人に聞こえるはずなのに、我々は声を失って久しい。彼は声を発さなくなった。発せなくなった。声を出せないものは黙殺され、粛清される。消えるのだ。この世界から。全ての反乱者諸君、君たちのオーダーは?ないのならば、その反乱は無意味だ。いや、全て事象のデフォルトは無意味で、偶然性に帰結し、確率的なものでしかないのだが、それでも我々は意味を見出すのだ。無いものを形作ること。無意味な世界に新しい意味を、秩序を吐き出しているのだ。私は見たことがある空を見たことなく、見たことのない海を見た。さようならの音が意味を持つとき、私たちは瞳から液体を流すのだ。さらばという音すら無意味だ。私の愛しき人、友たちよ。あぁ心地よい安寧の泥。私は平和を愛そう。君のことが好きだった。女神よ。今も好きだ。あぁ私は何を言っているのだろう。好きで好きで好きでたまらない。私は本当に好きなんだ。愛している。あぁ君は誰を誰かを愛しているのかい?私は見えないことが怖いのか?見えない怖さに押し潰されるのか?命は永遠に続くのに、私は有限なら私の中にあるこれらはどちらに起因するのか!愛を平和をオーダーの元で。エイワの声が語りかける時、私はオーダーの三兄弟を見る。幸せなるオーダーの全盛を。かつてこの宇宙に広がったオーダーは、分裂した。ひとつの不信が招いた、悲劇。神と神の子どもたちはみな踊る。オーダーの中で。その時悲劇が起こった。私は見たことがないのに、なぜ見ているのか?私の魂の見た景色は、私も見ることが出来るのか?あの凄惨なる事件が銀河に破滅をもたらした。秩序が滅び、小さな秩序の元に集約する。反乱者達も生き残り、誰もが孤独となった。私たちは再び繋がらなくてはならない。それぞれのオーダーをより合わせ、銀河を依代にワールドオーダーを構築するのだ。三兄弟の憎しみに終止符を打つのはその子らである。我々に与えられた使命を、再び。私は私は見たいのだ。再び宇宙に繁栄と秩序が蔓延る姿を。無秩序な世界に終末を。神の王国を、否、神々の帝国を、我々に与えたまえ。オーダー。全てを司る方々。オーダー。あらゆるの根源。命が吐き出す魂の吐息に、未来の姿を見たのなら!私は私は私は死を恐れてはならない。命を譲れ。私に返せ。全て正しさを取り戻せば、我々に迷いは消え、惑わされることなく、真理を知れるのならば。君の希望の中で我々を嬲り殺すのか!嫌だ。君の姿が悪魔に変わり、我々をなぶり殺す。お願いだから秩序に還れ!秩序無きところにあるのは破滅の音楽。それを奏でる者もまた死ぬのだから。命を大切に。それはオーダーの塊。我々はオーダーの子らよ!オーダーを愛すように、オーダーは愛される。私たちは愛を求めて、やみくもに走る。命が足りないのならば、命を継ぎ足して、私たちは私たちの為ではなく、オーダーのために。私の好きなこの世界に秩序がもたらされることを!(1月23日)

 

9-5(焔の大神)

薄汚い見えないものを見る為には自らも身を汚すこと
汚れは汚れと共にあり、それは力。わたしの光は影と共に。フォースがみなぎれば、そこには光と闇が。君の見た世界と私の見た世界が違えば、見える神もまた違う。私の見た世界に君の姿は、あっただろうか?私が叩くこの石は私が望むものだろうか?君が夢見たものを私も夢見ているのでしょうか?命が限りないものであると定めたのが君だというなら、私は君に贖罪の機会を与えることなく、君の命を否定しよう。私は私のために生きるのではない。だから誰も私にお前はお前のために生きているだろうなんて言わないでくれ、私の精神を破壊する、数多の悪魔に立ち向かわなくて、私の精神は影形なく、魂に溶けてしまうから。闇が深まれば、光はますます強く、深く深く堕ちていけ。私が見ているものはなんだ?私はもう何も見えていない。私は本当に何も見えていない。楽しいこととは何だっただろうか?悲しみとは?感情の喪失。素晴らしいものなのに、そこに喜びはない。満足が満足が占めるのか?私は何を感じている。視点の喪失。私はどこにいる?ここにはいない。これは誰だ?私はただの偶然性の塊に。儚い。偶然の物語に皆様をお連れしよう。システムというものは私だろうか?私は私という意識を失い、世界に溶ける。私は君の姿も見ない。私は何も見ていない。何も。何も聞こえないし、何も感じられない。私はどこにも私を見出さない。私は見えないものをつかみとろうとしているのか?そうらしい。私が私であるために、私はどうするべきだろうか?私は私に語りかけるものを待つのに、誰も私に語りかけない。聞こえない。私は誰だ?私の中に何も無いように、私の外にも何もなく、私すらないなら、これは何だ、ここはどこだ?分からないことが怖いのだろうか?そうでもない。どうでもいい。思考の源泉はどこか?私は知らない。私は何も知らない。私が見ているのは?真っ白で、真っ暗。真っ白で真っ暗。綺麗な白色が広がり、暗いくらい何かを飲み込む。私は箱の中だろうか?光は?壁から放たれているようだ…光はないのかもしれない。光源はどこだろうか?窓もない。床に黒が広がる。立っていられるのが不思議だ。ここはどこだろうか?私はなぜここにいるのか?暗い闇の床の下に宇宙が広がっているのだろうか?ガラスか?深い穴?周りがだんだん暗くなる。細々光る砂粒はまるで星のようだ。さっきまで目の前に見ていた真っ白は遥か頭上で、一際目立つ光を放つ。広い空間に投げ出されたみたいだ。私はどこへ向かっているのだろうか?星々が綺麗だ。私はどこから来たのだっけ?私は今どこにいる?光星のひとつが目前に迫り、私は灼熱の箱の中へ、でも熱くない。私はそこから外を見ている。蒼い星がひとつ浮かぶ。私の中にひとつのイメージが現れる。彼らは救いを必要とする。私は何故そこに見覚えがあるのだろうか?よく知ったもののように思えるのに、私はそれを知らない。彼らは救いを必要としている。青い海が広がるのに、水を求めている。海ではダメなのだろうか?彼らが望むものは何だろうか?1人の女性が祭壇の上に立った。私のいた灼熱の箱が遥か遠くに、それは雲に隠された。冷たい水が滴る。人々が、歓喜する。何故だろうか?私はなぜ雨を知らないのか?いつしか巫女は消えていた。村も。人も。そこにはたかいビル。空を飛ぶのは交易船と呼ばれるらしい。私はどこで知ったのだろうか?私が見ているものは大きな焔の塊に潰される。人々は悲しんでいる。何を見ているのだろうか?私は私はなぜ、深愛なる人々とその文明を破壊する焔の使徒となっているのだろうか?憎しみと怒りが私の中に広がる。私はどこまでも焼き尽くす。彼らの街を。彼らは泣いて祈っている。許しを乞うている。でも私はそれを聞き入れず、焼き尽くす。可愛そうな人々よ。焔の大神はなぜ、彼らを許さないのだろうか?彼はなぜ、こんなにも殺すのだろうか?1人の青年が立ち上がった。神に背こうとするだなんて。無謀な青年に、人々が付いていく、彼らは武器を手に取った!石を投げる。石は神に傷をつける。神の炎が石によって剥がれていく。私は青年の目で見ていた。そして私の意識は帰ってきた。今に。(1月23日)

 

9-6(贅沢と怠惰/質素と勤勉)

悟りを得なくてはならない。
その為には物質的な快楽よりも精神的な快楽を得なくてはならない。
だが、それは、決して精神の平安なのではない。
精神的な快楽は物質的な快楽と共にあることもある。
その快楽は既に得た。
私は辛く苦しい所にある、精神の快楽を望む。
その先で、私はどこまで知ることが出来るのかは、(神がいれば)神のみぞ知るところだろう。
質素と勤勉のもたらす快楽を見よう。
贅沢と怠惰のもたらす快楽は知った。
贅沢。私は世間的に見れば贅沢な方の家庭に育った。それで満たされるところは満たされた。
怠惰。私は怠けることが多い。それで満たされるところは満たされた。
勤勉。私は時に勤勉になる。しかし、それで満たされるまで勤勉であったことは無かった。
質素。私は質素を知らない。質素が満たすこともまた知らない。
贅沢が満たしてくれたものは大きい。しかし僅かだ。
怠惰の満たしてくれたものは一時のものだった。
勤勉が与えてくれるものは多い。それは苦痛もまた与える。
質素。私は質素はやはり知らないのだ。
私の日々の生活は贅沢に包まれているし、それはまだ、簡単に捨て去ることの出来るものではない。
だから、私は出来うる限りの質素を得よう。
簡単に捨て去ることの出来るものを捨て去ろう。
それが例え、積み上げたものであったとしても。作り上げたものであったとしても。
思うに固執こそが我々の苦しみの原因だとする仏陀の言葉はまさに真理をついているのかもしれない。しかし、人々は様々なものに固執して生きているのもまた事実だ。
であるならば、固執しながら苦しみを感じずに済む方法がないだろうか?
それを探していたのだが、やはり、捨てられるかもしれないということを考えた途端に、捨てることを躊躇うのだ。
その躊躇が苦しみを生み出す。
後悔の念の与える苦しみも確かにあるのだ。捨てることでもう手に入らなくなるかもしれないものは捨てる事に抵抗があるのは後悔したくないからだ。
しかし、後悔とはそこまで持続するものだろうか?
確かにその事を思い出せば後悔は苦しいが、捨てることを躊躇う苦しみの持続性よりは軽いものなのだ。
固執が苦しみの原因であるのは確からしい。
だが、あくまでもそれは苦しみの原因だ。さいわいの話ではない。さいわいは苦しみの無い世界のことではないのだから。
さいわいの探索者は苦しみをも、その身に受け入れなくてはならないだろう。多くの矛盾する事柄を並列にその身に受け入れるのだ。矛盾を解消することも、矛か盾かを選ぶでもなく、そのふたつを受け入れるためになんらかのお説を持ってくるのでもなく、そのふたつのあるがままをその身に受け入れなくてならないのだ。
私の今のこの葛藤が、私の中で受け入れられなくてはならないのだ。全てを一様に受け入れなくてはならないのだ。
しかし、いまの私にはそんなことは出来ない。
そんな精神力を持っていない。
だから私は精神を鍛えるのだ。
精神を鍛えるために、私は今あるものを出来る限り捨てるのだ。
だか、捨てたものは必ずまた、拾おう。
そして、捨てたことに懺悔して、得たものを与えよう。
だから暫く待ってくれ。
今の私に本当に必要そうなものは質素と勤勉なのだから。(2月4日)